言わずと知れたビットコインの始まりとなったサトシ・ナカモト(ナカモトサトシ、中本哲史)の論文ですが、この論文は今でもネット上で見ることができます。
論文発表は2008年、タイトルは「Bitcoin : A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(ビットコイン:P2P 電子マネーシステム)ですが、中身は英語で書かれています。
たった9ページの内容にすぎませんが、そこからビットコインが始まり、今やビットコインは仮想通貨の基軸通貨として世界に知られる存在となっています。
1から12の区分に分かれてビットコインのシステムについて指針的なことが簡潔に書かれていますが、最初の「1. イントロダクション」の部分を読むだけでもおおまかなサトシ・ナカモトの考えについての概要を知ることができます。
全体の内容としては、以下のようなことへの技術的なアプローチについて記述されています。
- 第三者(金融機関等)を通さずに低コストで取引できる電子マネーについての考え
- 中央集約サーバーを必要としない、ピア・ツー・ピア(P2P)によりネットワークで接続されたノード(端末)同士で直接データをやり取りする
- 2重支払い、データ偽装を防ぐPoWとブロックチェーンについて
- 第3者への信頼性ではなく、暗号化された証明の導入によるコストの削減
サトシ・ナカモト氏はこのネット上の論文発表以降、ビットコインプロトコルやBitcoin Core (Bitcoin-Qt) を作成するなどコミュニティ内での活動を進めていきますが、やがてビットコイン開発のメドは付いたとの判断から後のことは任せるとコミュニティのメンバーに管理権限を委譲し、徐々にコミュニティとの接触も少なくなったと言われています。